こんにちは、Spica(@spicaundrei)です。
Peingで質問箱もやってます。
FE無双風花雪月の全ルート(赤→青→黄)をクリアしたので、ゲーム全体の感想などを書いていきます。
このゲームを端的に解説すると、
・(本家からの差異で困惑するリスクを考えると)新規向けのゲームであるともいえる
となります。
シナリオ関連の問題点
・ベレト/ベレスの扱い
・ソティスの扱い、性格
・教団勢力の不遇さ
・終盤からEDにかけてのテキトーさ、投げっぷり
・黄ルート中盤におけるクロードの行動
・各ユニットの呼び笛イベント
(個人的に重要度が高いものほど上に挙げています)
ベレト/ベレスの扱い
「最強の敵」としてクローズアップされていた割にはインパクトが弱いです。
・決着シーンでは特に何も言い残さずあっさり退場
・ストーリー本編のEDに絡んでこない
どうせ敵役として登場させるのなら、レアと結託しラスボス級の存在として立ちはだかるくらいはして欲しかった。
説得加入させたところで一般ユニットの範疇を越えず、支援会話が用意されている組み合わせもジェラルトなどごく僅か。
話題性狙いで敵役として登場させたのにも関わらずこの扱い。であれば初めからベレト/ベレスが自軍加入キャラで良かったんじゃないか?と思います。
ソティスの性格&行動
ソティスの性格が本家から変わりすぎている。
本家でのソティスであれば、器(=先生)を操作してやりたい放題やるなんてことはしただろうか。もうちょっと上手い展開の仕方があったのでは?と思います。
教団勢力の不遇さ
・教団が悪者として描かれる傾向が強い
・一部の教団ユニットは非プレイアブル
の2点。
「赤ルート→教団と100%対立・青ルート⇨大司教を保護」と真逆の展開になるのは妥当ですが、黄ルートでも教団と敵対させたのはやりすぎ感がある。
本家においてはベレト/ベレスが(その出自も影響して)レアと強い関連を持っていましたが、シェズだと教団キャラ達との絡みがあまり見えてきません。
終盤からEDにかけての投げっぷり
一部のEDでは「これからもフォドラ統一のための戦いは続く〜」的な終わり方がされています。いやいやテキトーすぎないか……と。
せめてもう2〜3EPくらい用意して、完全決着に持っていけなかったのだろうか。
黄ルートの展開およびクロードの行動について
序盤〜中盤にかけてはパルミラ(シャハド王子)の襲来が重要イベントになっていますが、シャハドが退場したらそれっきり。もっとガッツリ終盤まで絡んでくるのかと思っていたため、肩透かし感があります。
そして今作のクロードの行動でもっとも話題を集めそうなのが、友軍(ランドルフ)を見捨てての教団軍の殲滅。戦後にシェズから追及されていましたが、この選択は果たして必要だったのかと。
結果的にこの行動はフレーチェの怒りを買うことに。(ランドルフ死ぬ→フレーチェ復讐→兄の後追いという展開、二番煎じが過ぎないか……?)
各ユニットの呼び笛イベント
あっさりしすぎ。本家の支援Sイベントから著しく劣化しています。
後日談イベント(というより、単にメッセージを読み上げるだけ)では主人公に向けて感謝の言葉などが語られますが、どうにも没入感が薄いです。第一部から第二部にかけて約20EPを戦ってきた本家と比べると……。
問題点まとめ:本家から改変させすぎ
これに尽きます。
私が考えた解決策(↓)
・戦争編への移行は5年から短縮する(今作同様に2年くらいでも良い)
・士官学校編はプロローグ+数EPで大雑把になぞる程度に
・シェズ&ラルヴァは敵ラスボス級の存在として登場させる(彼に関連してタレスなども持ってくる)
“灰色の悪魔”への復讐に燃えるシェズと、それを焚き付けるラルヴァ。彼らがストーリー終盤で敵国の傭兵(or闇の者たちと結託)として先生に迫る…という展開の方が個人的には満足度高い。
良かったところを強いて挙げると
・外伝マップ
・序盤から中盤
この2つでしょうか。
外伝マップは各キャラクターのバックグラウンドを補完するような展開が多く、見応えがありました。ここの作りこみは◎。
そしてストーリー序盤から中盤にかけての展開は終盤に比べればまだ良かったほうかなと。
ただ、本編の導入部(級長たちの窮地を救う→大修道院へ)の流れが本家とほぼ同じだったのは気になります。わざわざシェズを主人公に持ってくる必要性が薄いように感じます。もっと違う始まり方を模索することもできたのではないでしょうか。
戦闘・育成システムでの問題点
・NPCユニットの移動が速い(メリ/デメリットが半々)
・ブリーフィングでの勝利/敗北条件がほぼ無意味
・戦場の構造が見辛い
・妙に硬い敵兵
NPCユニットの移動が速いことの利点と弊害
前作のFE無双では自軍のNPCユニットがあまり仕事をしてくれませんでした。それに比べれば今作はかなり進化しています。指示を与えたときの有利/不利も可視化され(”85%”など相性が表記される)、敵兵を倒すまでのスピードもUP。
しかしNPCユニットの移動速度が上がったのは敵軍も同様で、戦況によってはミッション発生→対処にいくまでが間に合わない事態が多発します。護衛対象の友軍があっさり敗走したり、合流阻止が位置的に困難だったり。
「このミッションがこのタイミングで来る」ことを知っていれば問題なく対処可能ではありますが、やり直しを要求されるかのような展開にはしばしば辟易。(本家ルナの増援即行動じゃあるまいし。あれは最高難度だったからセーフだったわけで…)
ブリーフィングでの勝利/敗北条件が無意味
そもそも無双というゲームシステムに文句をつけることになってしまいますが、当初の勝利/敗北条件が意味をなくしているマップが多すぎます。戦闘を進めるにつれて次々とメインミッションが移り変わり、「〇〇の撃破」となっていた勝利条件が違うユニットになっていたりする。
たぶん私は無双システムに向いていないのかな…と思います。前作のFE無双をやっていたころはある程度楽しめたのですが、自分の中での趣味嗜好が変わってきたのでしょうか。
戦場の構造が見辛い
細い道が多く、移動中に壁に突っかかることが頻発。
ユニット移動という点においては「シェズ>>>それ以外」なゲームバランスも気になります。固有アクションで高速移動&ワープできるシェズと、普通に走るしかないその他仲間たち。
初心者はこのユニットを使えば攻略しやすいですよ~という理由で主人公を強くするのは理解できますが、移動面においてはちょっと盛りすぎかな、、と。
敵兵が硬い
「ゲージを削って必殺の一撃を撃つ」という流れは前作でも同様でしたが、今作は敵兵がだいぶ硬くなっているような気が。
ジャスト回避/ガードを積極的に使えば隙も多く作っていけるのでしょうが、慣れないうちにそれを要求するのは難しい。そのため「戦技・魔法をぶつけて強引にのけぞらせる」が楽なんじゃないか?と感じました。
敵の攻撃にジャストアクションを狙うとなると相手が攻めてくるのを待たないといけませんが、この数秒を待つのも惜しい。敵NPCの移動速度も格段に上がっているため、数秒のロスもしたくないわけです。
評価まとめ:無双としての完成度は悪くないが……
・「風花雪月」としては(個人的に)許容できない点が多い
本家からの主人公チェンジや、無双風花雪月のオリジナルストーリーへの受け止め方は人それぞれでしょう。私個人としては「これは良くない」と感じました。
いろいろと挑戦的な要素を盛り込んでおり話題性は豊かなゲームだったと思いますが、これを「風花雪月の派生作品」としては受け容れたくないのが正直なところ。
また、全体的な快適さが前作のFE無双からdownしているのも気になります。しかし風花雪月の全生徒を操作できる点や、兵種選びの自由さなどを考えれば無双ゲーとしてはまぁ悪くないかな……と。
最後にまとめると、「期待外れ」なゲームでした。
今年冬の初PVを見たときはワクワク感で満ちていたものの、発売に近づくにつれて疑念が生じ始め(豪華版アクリルスタンドの件といい)、実際にストーリークリアしてみると「あぁやっぱり……」という印象。
本家と異なりコエテクの販売だからこうなったのか。コロナウイルスの件でゴタゴタして細部が未熟なままリリースとなってしまったからなのか。さらに邪推するなら「風花雪月ファンならまぁ買ってくれるでしょ」くらいの姿勢で作っていたのか。
いずれにしろ価格に見合う満足度だと本家の圧勝ですね。(なんならカタログチケットを使える分、本家の方が安いという)
今後DLCは出るのでしょうか?発売から3ヶ月くらいでDLCも無いようだと、ちょっと絶望かな……。ただDLCが出たところで、根本的なストーリーに変化がないようだと厳しいかと思います。あるとしてもプレイアブルキャラの追加とかでしょうか。