アニメ『氷菓』2話を原作と比較しながら考察してみる

(前回の記事)
『氷菓』1話Bパートを原作と比較しながら考察してみる。

前回の記事から5ヶ月ほど空いてしまいました。
完全に更新を忘れていました。すみません……。

ベナレスからの手紙。姉・供恵はジョーカー的ポジション

「前略 折木奉太郎殿」で始まる、姉・折木供恵からの手紙。
2話のオープニングでこの手紙のシーンが流れていますが、原作『氷菓』では冒頭で手紙の全文が記されています。

1話で奉太郎は、里志に姉からのエアメールを見せています。
また1話は、奉太郎が自分のモットーを語るところから始まっています。エアメールの件から入っていくよりも、主人公・奉太郎の性格をよく表すためにはこっちの方がいいと考えたのでしょうか。

姉・供恵は古典部シリーズ全体を通じて、意味深なポジションのキャラクターです。

ほとんど声のみの登場で姿は明らかになりませんし(文化祭の回で”ほんの一瞬、一部だけ”顔を確認できる)、
『氷菓』編・『愚者のエンドロール』編・『クドリャフカの順番』編全てにおいて奉太郎を誘導しているかのような印象を与えます。

アニメ化されていない分の話も僕は一通り読んでいますが、供恵の詳細なキャラクター像は「やっぱりよくわからない」という感じです。

姉・供恵の人物像が浮き彫りになるとき……それは古典部シリーズが核心部へ入って行く瞬間であるような気がします。

姉からの手紙は、以下の一文で締めくくられていました。

「どうせ、やりたいことなんかないんでしょう?」

奉太郎がいつか心の底からやりたいことを見つけ出す。
シリーズの終着点はそこにあるのかな、なんて妄想を膨らませてみたりもします。

えるが読んでいる本について考える

前の回でも書いたかもしれませんが、アニメ版と原作では部室が異なります。

アニメ版:地学準備室
原作:地学講義室

原作だと、奉太郎はえるの背中しか見えていません。地学講義室だからまぁそうなりますよね。
そんなわけで、えるが奉太郎にお菓子を提供するシーンも原作には無し。

「部活してる感じ」を出すためには、繰り返しになりますが、良い改変だったと思います。

えるが読んでいる本は、原作の奉太郎いわく「なにやらぶ厚い本」とのこと。

上の画像を見る限り、まぁ確かに「ぶ厚い本」に見えなくもない。

なんとなく、文庫本であるように見えます。
本の上からスピンが飛び出ていますが……スピン付きの文庫本といえば、新潮文庫が真っ先に思いつきますね。

「350-400ページくらいの新潮文庫本」を読んでいると僕は勝手に推測しました。

『米澤穂信と古典部』という本の中に、古典部員それぞれの本棚についての情報が載っているのですが、それに基づいて考えると『一千一秒物語』あたりなのかなぁと思います。
ページ数も多くて分厚いので。

まぁ、スピン自体は本ではなくブックカバーに付いているものかもしれませんが。アニメを見る限りだとよくわからない。

伊原摩耶花の印象

原作での奉太郎は、摩耶花について詳細に語っています。

「その幼い顔と低めの背丈とがあいまってころころと可愛らしい印象を人に与えるが、だまされてはいけない。それはトラップだ。伊原は常に寸鉄を携帯している」
「こいつの前で気を抜けば、七色の毒舌が待っている」

原作での摩耶花への印象を見ていくと、アニメ版はやや「可愛くしすぎかな?」という感じも受けました。
魅力的なのはいいことなんですけどね。

奉太郎と摩耶花は、物語開始当初はそんなに仲が良くありません。(最新話でも仲がいいかというと微妙ですが)

奉太郎があまり好意的に扱われていないからこそ、「寸鉄を携帯している」と語っているのでしょう。

これには中学時代のエピソードが関係あるのですが、この部分はアニメ化されていません。
『いまさら翼と言われても』内の短編「鏡には映らない」でその話が登場します。

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