本を「買う」と「借りる」には大きな違いがある。

「読書離れ」が問題として取り上げられることがありますが、僕が思うに、「本にお金を使うのはもったいない・なんとなくはばかられる」という思考がそこにはあるのではないでしょうか。

貴重なお金を本に使うくらいなら、別のことに使いたい。

町には図書館だってあるし、書店に行けば立ち読みもできる。

出費を考えると、本を「買う」のではなく、「借りる」という方向に動くのは、確かに合理的です。

でも、僕はこの2つには決定的な違いがあると思うんです。

趣味としての読書、日々の楽しみとして読書に触れるにあたっては、本は絶対に「買う」方がいい。

大量に本を買っていると毎月の出費がかさむけど、それでも読書する上では「買う」方がベターであると考えます。

借りた本には書き込みができない

1つ目の理由は、借りた本には書き込みができない、ということ。

何のために読書をするのかというと、著者の中にある考え・知識を吸収するためです。

かつて2ちゃんねるを見ていたときに、「文系は筆者の気持ちでも考えてろよ」というフレーズを見ましたが、その通り。

僕が読書をするのは、筆者の気持ち・考え・頭の中を見てみたいからです。

そのためには、読書しながら書き込みをする方がいいと僕は思っています。

でも、借りた本だとメモができない。

メモ・書き込みがあれば再読するときに便利

筆者の考えを理解するには、一読しただけじゃ不十分です。

読了したら、とりあえず冒頭に戻ってもう一度読み直す。このとき、途中に傍線や書き込み(自分の思ったことなど)が散りばめられていれば、スムーズに再読できます。

どういうタイミングで書き込みをするのかというと、

 

  • 気に入ったフレーズを見たとき
  • 筆者がいちばん言いたそうな部分(主張・まとめ)
  • 何となく、自分の頭の中に考えが浮かんだとき

 

の3パターンですね。

書き込みが全く無い場合、「自分はどういうところに興味を持ったのか?」があやふやなまま、読書が終了してしまう。

これじゃ読書の魅力は半減です。

時間を使って読んでいる以上は、その本から何かを吸収したい。そのためには、書き込み・メモは欠かせないのです。

借りた本だと、これはできないですよね。

脇にスマホや紙を置いておいてメモる、ということもできなくはないですが、読書しながらだとめんどくさい。

kindleやkoboといった電子書籍端末だと、指の操作でマークができるので便利ですね。

 

小説にも書き込みをしてみる

書き込みをするのは、ビジネス書・教養書に限った話ではありません。小説にも、僕は書き込みをどんどんしています。

「新しい知識・考えを得るために読書するんだから、小説っていらなくない?」という意見もありますが、そんなことはありません。

小説の登場人物の行動を見ていく中で、「これは自分に似ている」「なんとなく、あいつにそっくりだ」と感じることがあります。

小説を読むことは、自分の人生を振り返ったり、自分と全く違うタイプの人物について学ぶことにも繋がるのです。

なので、決して無駄ではありません。

孫正義氏は、かつて司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に影響を受けました。
アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、カズオ・イシグロ『日の名残り』を読んだことがアマゾン創業に繋がったとも言われています。
彼らは小説を軽視せず、むしろ好んで読んでいたと考えられます。

主人公のかっこいい言い回しや、気になった表現などがあったらどんどん書き込みをしてみましょう。

ライトノベルでもOKです。

「この熟語、厨二っぽくて面白いな」と思って線を引いてみる、くらいでも良いと思います。

後になって読み直したときに、「あのときの自分はこんな気分で読んでいたんだな」というのが伝わるはずです。

買うことによって「読もう」という気持ちが生まれる

2つ目の理由は、買った本の方が読む意欲が出てくる、ということ。

公共の図書館で本を借りる場合。無料で借りているので、未読のままでも損はしません。

読みたいと思ったから借りたけど、家に持ち帰ってみたら何だか読む気が失せた。そのまま貸し出し期限が来て、未読のまま返却。

無料であることによって、「読まなくてもいいや」という感情が生まれるのです。

身銭を切って本を買っていたら、「なんとしても読もう」という気持ちに僕はなります。

書店で本を買ったら近隣の喫茶店などに直行して、頑張って読破します。読破できないとしても、半分は読んでおきます。買ってから時間が経つと、その本への興味が薄らぐことを知っているからです。

書店や図書館を歩いていて、気になる本を見つけた⇒とりあえず買っておいて後で読もう、だと失敗することが多いです。

その場ですぐに入手して、すぐに読破してしまうのがいちばんです。

渡部昇一『知的生活の方法』内の「本を買う意味」という章で、身銭を切ることについて書かれています。

読書の際にメモをすることの重要性が書かれており、とても勉強になるので気になった方はサンプルだけでも読んでみることをオススメします。

図書館で本を借りることのメリット

図書館で本を借りることにも、メリットはあります。

趣味としての読書ではなく、「調べ物」として本を探しているのなら、図書館で借りる方がいいでしょう。

大学生なら誰もが経験するレポート・卒業論文。これらを作るには参考文献というものが必要です。

卒論ともなると10冊以上になることも考えられ、それらを全て書店で買っていたら、さすがに出費がきつい。

学術書って高価な場合も多いですしね。

でも>「自分の財政状態が非常に厳しいが、それでもなんとか読書を続けたい」という人であれば、趣味としての読書を図書館に委ねるのは合理的な選択です。

お金に余裕が出てきたら、身銭を切って本を得る方にシフトしていけばOKだと思います。

人に貸すのも、人から借りるのも良くない

僕がまだサークルに入っていたときの話です。活動時間前で人がまだ集まっていなかったので、時間潰しに読書をしていました。

すると同級生のひとりが入ってきて「何読んでるの?」と尋ねてきました。

僕「○○だよ。生協で最近出たやつ」(確かミステリ小説だった)

同級生「へー!どんな話?」

僕「~~~って感じかな」

同級生「面白そう!読み終わったら貸してくんない?」

僕「いいよー。読み終えたら返してね」

同級生「オッケー」

って感じのやり取りでした。翌日に僕はその本を読了したので、言われた通りその同級生に本を貸しました。

そして、二週間後。

僕「あの本どうした?」

同級生「本?……あ、そういえば借りてたな!」

同級生「まだ半分までしか読んでなくてさ、でもこれ以上借りてると悪いからすぐ返すよ」

僕「あー、そうなんだ。じゃあ明日持ってきて」

同級生「了解」

という結末。

想像ですが、半分も読んでいなかったと思われます。

これと似たような経験が、人生で計3回あります。

読書が本当に好きな人ならきちんと読んでくれるのでしょうが、「なんとなくその本気になったから貸して」と言ってくる人に貸しても、恐らく意味はありません。



本を貸すぐらいならプレゼントする

その本を読んで面白いと思ってもらえたら嬉しい。そういう思いから貸したのに、未読で帰ってきた。

向こうにも都合があったにせよ、何だかやるせない気持ちになりました。

なので、本を貸すくらいならプレゼントしてしまった方が良いと僕は思います。そうすれば変にショックを受けることもないし、相手も申し訳なく感じずに済む。

逆のパターンも同様で、もし僕が友人から「この本良かったよ。貸そうか?」と訊かれたら、

「自分で買うから大丈夫」と答えようと思います。

図書館の場合と同じで、友人から借りてしまうとメモできないし、丁寧に扱わないといけない。

読書でそんな不便を被るくらいなら、自分で買いますよ。

読書は、買ってこそ面白い

長々と書いてきましたが、つまりは「とりあえず本買ってみようよ」と言いたかっただけです。

本にお金使うくらいなら交際費や他の趣味に使いたい、と感じるかもしれませんが、図書館で借りるだけだと読書の楽しみは半減するんじゃないかなぁと思います。

本を買って、書き込みしながら「すぐに」読んで、読了したら本棚にしまう。後になってまた読み直して、新たな発見を得る。

後になって読み返したときの発見こそが、本を買うことの魅力だと思います。

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